【ワイナリーコメント】
Apは、イタリア・ヴェネト州で造られるAmarone(アマローネ)の伝統的な製法から着想を得て、日本の葡萄で私たちなりの表現を試みた特別なワインです。
最初に仕込んだのは2020年。
山形県上山市で育ったマスカット・ベーリーAを収穫後すぐには仕込まず、時間をかけて陰干しすることで葡萄の水分を抜き、果実そのものを凝縮させるAppassimento(アパッシメント)という方法を取り入れました。
初めての試みでしたが、マスカット・ベーリーAの普段とは異なる表情を引き出すことができ、とても印象深いワインとなりました。
そして3年後の2023年、もう一度このワインを仕込むことにしました。
今回使用したのは、山形県上山市の鈴木隼人さんが育てたマスカット・ベーリーA。収穫した葡萄を約4カ月間陰干しし、水分がゆっくりと失われていく中で、糖分だけではなく、酸や果実の旨味、香りまで凝縮させていきます。
その葡萄を全房のまま約2カ月間醸し発酵。その後やさしくプレスし、大樽で約1年間熟成しました。さらにボトリング後、約2年間瓶内でゆっくりと休ませてからのリリースです。
凝縮した黒い果実、ドライプルーンやレーズンを思わせる香り。熟成による複雑さと厚みがありながら、残糖に頼らず、味わいはしっかりとドライに仕上げています。
アルコールは15%。しかし単純な力強さを目指したワインではありません。
陰干しから醸し、樽熟成、そして瓶熟成まで、葡萄に長い時間を与えることで生まれる奥行きと、マスカット・ベーリーAという日本の葡萄が持つ、いつもとは違った表情を楽しんでいただけたらと思います。
2020年から3年。
私たち自身のワイン造りも変化する中で、改めて向き合ったApの2回目のヴィンテージです。